吹き荒れる風の中で
もう一度手を強く握って
佇む木々の様に
今はただ君とありたい
雲が壁となって
光阻むその眼下で
ざわめく草陰から
蟋蟀達が唄っている
黒く濡れた街は
人影さえ疎らだけど
「晴れたらいいのにね」
そう囁く君が眩しい
大気擾乱、大地は震えて
川が踊れば、山が叫ぶ
彼方に開ける夏の空に笑おう
吹き荒れる風の中で
その温もり感じ取れたら
忘れかけていた愛しさを探そう
熱く身を焦がして
変わりゆく世界を見つめ
佇む木々の様に
今はただ君とありたい
かつて識者達が
繰り返した言葉でさえ
掻き消す雷鳴を
僕らはもう恐れないだろう
大気擾乱、大地は震えて
波が猛れば、岩が唸る
彼方に広がる虹をくぐり抜けよう
吹き荒れる風の中で
もう一度手を強く握って
失くしかけていた言の葉を紡ごう
深く傷を負って
変わりゆく世界を嘆き
佇む木々の様に
今はただ君とありたい
吹き止まぬ風の中
飛散った幾多の塵が
頬を掠めても
瞳反らす事はしない
鳥の囀りを
夏草の深い緑を
そして太陽を
二人で迎えにゆこう
吹き荒れる風の中で
その温もり感じ取れたら
忘れかけていた愛しさを探そう
熱く身を焦がして
変わりゆく世界を見つめ
佇む木々の様に
今はただ君とありたい